Created
August 18, 2023 00:50
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「モバイル・エコシステムに関する競争評価 最終報告」に対する意見募集
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政府が民間の自由な経済活動への介入は原則として慎重であるべきです。報告書で述べられているApp Storeの問題点は政府が規制や介入をしなければならないほどの解決困難であったり多数の被害者が発生しているようなものではありません。 | |
1.OSやブラウザ等の仕様変更等について | |
大規模なソフトウェア製品における本質的な問題です。規制を設けたところで解決する問題ではありません。 | |
報告書ではAppleが必要な情報を適切に提供していないという指摘があるが、これは正しくなく、過去と比較して現在の情報公開の状況は大きく改善されています。 | |
ベータ版についての情報についても、10年前はWWDCの情報は参加者のみがアクセスできましたが、現在はデベロッパーアカウントがあればすべて閲覧可能になっています。デベロッパーアカウントも有料のデベロッパープログラムは必要なく、Apple IDがあればよいので、事実上すべての人間に情報は開示されています。 | |
ベータ版が安定するまでに長い時間がかかり対応する時間が限られているという指摘については先に述べたとおりソフトウェアの本質的な問題です。モバイルデバイスのOSははるかに複雑になっておりむしろ毎年新機能や改善が行われているということは驚愕すべきことです。 | |
2.アプリストア関係 | |
報告書ではAppleはその安定的な地位を利用して高い手数料や制限を強制しているという記述がありますが、それは一面的な見方に過ぎません。 | |
ソフトウェア・プラットフォームは激しい競争の中にあり、モバイルプラットフォームにおいて安定的な地位にあるかに見えるApple、Googleでさえも日進月歩のソフトウェアの世界において常にその地位を脅かされています。 | |
モバイルデバイスの普及はすでに飽和しているのでAppleは利益の中心をデバイスの販売からサービスにシフトしようとしていますし、Googleも広告以外の売り上げを模索しています。 | |
現在の独占によりイノベーションを阻害しているという論点は正しくなく、ソフトウェアの世界においては既存のプラットフォームの打倒を狙うプレーヤーがひしめいているのでそこに政府が規制を設けること自体が自由なイノベーションを阻害する結果を導きます。 | |
唯一政府による介入が必要な点があるとすれば表現規制の問題があります。AppStoreの審査基準は一つのルールを全世界に適用するので、国によって何の問題もない表現であっても審査基準に抵触することで配布が行えないことがあります。 | |
これは事実上のAppleによる検閲であり自由な表現が規制されています。画一的な基準によって表現が抑圧されることはまさに自由なイノベーションの阻害といえます。この問題を改善することについては政府が介入する動機として十分であると考えます。 | |
6.OS 等の機能へのアクセス | |
ここで述べられていることは特殊な一部のユースケースにおける新機能が最初からすべて解放されていないという問題です。それは当然で、プラットフォーマー自身も本当に需要があるのかどうか判断できないからです。またそのような機能を最初からフルアクセス可能にしてしまうと実際に想定と異なっていた場合の軌道修正が困難になるため、さらに混乱を招くことになります。そのため最初に標準機能という形で少しずつエンドーユーザーに解放し、有用であることが確信できた段階でサードパーティに解放するという手順は独占の意図というものではなく、普通の行動です。 | |
また、使用したい機能が長い間解放されないという状況も以前と比べて大きく改善しており、今すぐに使えない機能も1、2年後に解放されるだろうというレベルで予測可能になっています。 | |
以上です。結論として、AppStoreの審査制度における表現規制は特別な懸念として取り上げるべきです。画一的で不透明な審査基準は、開発者の創造性やアプリの多様性を制限しています。そのため、介入を行うのであれば表現規制に限定した公的介入の検討を提案します。それ以外の部分の規制や介入は、市場の自由や独自性を維持するために避けるべきです。 |
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